銀河
- 東京―大阪(556.4km)
- 下り:101、上り:102
- 24系25形(JR西日本宮原総合運転所)
- EF65-1000(JR東日本田端機関区)
- 2008年3月14日発の運行を持って廃止。
概要
東京駅~大阪駅間を結ぶ寝台急行列車。
昭和24年9月15日のダイヤ改正より初の愛称付き急行列車として誕生しました。
最盛期(昭和38年10月~昭和39年9月)には7往復まで増発されましたが、
東海道新幹線開通後は削減されていき、昭和50年3月以降は「銀河」1往復のみとなりました。
当時最新のスハ43系の車両等が優先的に使用され、昭和51年からは
急行列車としては初のブルートレイン化(20系化)され、寝台特急列車とくらべても遜色のない車両となりました。
14系、24系と経て、東京-大阪間唯一の寝台急行としてはしりつづけました。
2008年3月15日のダイヤ改正に伴い、2008年3月14日発(始発駅基準)の運行をもって廃止。
沿革
- 1949年9月15日:ダイヤ改正により「銀河」、東京駅 - 神戸駅間において東海道本線経由で運行を開始。
正確にはこのとき運行を再開した一等・二等車のみで組成された夜行急行列車15・16列車に「銀河」の名称を与えたのが緒である。列車最後尾には特急列車並みの行灯式テールマークが取り付けられた。しかし、戦前の“名士列車”に準えた豪華な編成があだとなって利用が伸び悩み当時まだ混雑する列車が多い中でガラガラの状態で走ることになったため批判を呼ぶことになり、わずか9日後の9月24日には三等車を連結するようになり、テールマークも外された。 - 1950年10月1日:ダイヤ改正により急行列車全てに愛称が与えられるようになる。このとき、前年に命名がなされなかった夜行急行列車に運行順に「明星」・「彗星」の名称が与えられる。
o この際、運行順に13・14列車には「明星」、15・16列車に既存の「銀河」、17・18列車に「彗星」の称が与えられた。ただし、公式の命名ではないが日本交通公社大阪支社発行の「時刻表」1949年9月号には、17・18列車に「流星」の愛称が付された。
o これ以降、純粋に夜行急行列車の増発とともに名称が与えられたため、最大時には「銀河」・「明星」・「彗星」・「月光」・「金星」・「あかつき」・「すばる」と7つの異なる列車愛称が同区間の寝台急行列車に付与された。 - 1956年3月20日:「銀河」、三等寝台車を連結。
- 1965年3月 : 「銀河」、二等寝台車2輛を外しスハ44・スハフ43形を連結。
- 1965年3月 : 「銀河」、二等寝台車2輛を外しスハ44・スハフ43形を連結。
- 1965年10月1日:ダイヤ改正により「銀河」、寝台車を外し座席主体の急行に変更の上、山陽本線姫路駅まで延長。
- 1967年10月1日:ダイヤ改正により「銀河」、寝台列車に復帰。
- 1968年10月1日:ダイヤ改正により東京駅 - 大阪駅間で運行されていた寝台急行列車「明星」を統合して2往復。また、座席夜行「なにわ」廃止により、大阪駅発着の季節列車を1往復設定。
なお、従来の「銀河」はこの時点で上り・下りとも「銀河2号」となり、「明星」は上り・下りとも「銀河1号」となった。 - 1972年3月15日:ダイヤ改正により2号は姫路駅発着から大阪駅発着に改める。また、上り・下りとも1号に東京駅 - 紀伊勝浦駅間の急行「紀伊」を併結。
- 1975年3月10日:ダイヤ改正により「紀伊」連結の「銀河(上り・下り)1号」を東京 - 京都駅間を特急に格上げ。運行区間も山陰本線米子駅まで立替え延長して「いなば」となる。同時に14系客車に置き換えた。
これにより、定期「銀河」は実質1往復削減の1往復のみに。なお、季節列車1往復は存置。多客期はさらに下り臨時1本も運行。 - 1976年2月20日:「銀河」、20系客車に置き換え。
o なお、この頃より運行距離(営業キロベースで556.4km)からすれば「安芸」(新大阪駅 - 下関駅間・呉線経由:565.3km)・「北陸」(上野駅 - 金沢駅間・上越線長岡駅経由:517.4km)のように特急化も考えられたが、運行区間である東京 - 大阪駅間では有効時間帯の問題からさほど所要時間も変わらないことから「単なる値上げ」とも取られかねず、また繁忙期に運転されていた「銀河」の臨時増発列車は座席車中心で編成されていたこともあり、急行列車として存置された。また、581系寝台電車への置き換えも検討された事もあるが、当時581系にはA寝台車がなかった事から見送られた。 - 1980年7月 : 「急行」の文字のみだったテールマークから、列車愛称とイラストが入ったテールマークに変更。客車急行列車として絵入りテールマークの復活となる。
- 1984年2月1日:ダイヤ改正により、上り東京着が長年続いた朝9時台から朝6時台に変更。上り大阪発も若干早まるが、途中駅での「瀬戸」や「出雲4号」の待避はなくなる。
- 1985年3月14日:ダイヤ改正により「銀河」、20系客車から14系客車に置き換え。
- 1986年11月1日:ダイヤ改正により定期「銀河」、14系客車から24系25形客車に置き換え。
- 1991年3月16日:ダイヤ改正により、従来JR東日本東京車掌区が車掌乗務を担当していたが「成田エクスプレス」の運行開始に伴う人員確保のため、全区間でJR西日本大阪車掌区に担当を変更。
- 1998年7月10日:ダイヤ改正により臨時列車「銀河81号・82号」1往復のダイヤを利用し、285系電車「サンライズエクスプレス」による寝台特急「サンライズゆめ」の運行を開始。しばらくは運行日を違えて併存したものの、その後実質格上げと愛称変更された格好となる。
- 2001年3月3日:ダイヤ改正により1両減。
- 2008年3月15日:ダイヤ改正により廃止。
廃止直前の運行状況
全車寝台車で編成されていた急行列車であった。
2000年代に入ってからは夜行列車の衰退の影響を受け、4月末から5月初めの大型連休や旧盆、年末年始など一部の期間を除けば乗車率は低迷していた。
東京 - 大阪間という最も需要が見込まれる区間や上記の通り新幹線の走らない非有効時間帯を利用して移動できるメリットもあるだけに、「2008年3月中旬に予定されているダイヤ改正で『あかつき』『なは』とともに廃止になる見込み」と一部報道機関で報じられた後に存続を求める声があり、大船駅の東海道線下りホームには利用を促すポスターも掲出されたことがあったが、結局2008年3月14日の運行をもって廃止された。
廃止時点での運行時間
銀河 | 23:00 | 23:08 | 23:26 | 00:37 | → | 05:00 | 05:40 | 06:43 | 07:12 | 07:18 |
列車名 | 東京 | 品川 | 横浜 | 熱海 | 名古屋 | 岐阜 | 米原 | 京都 | 新大阪 | 大阪 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
銀河 | 06:42 | 06:35 | 06:18 | 05:07 | 00:58 | ← | 23:53 | 22:58 | 22:28 | 22:22 |
使用車両
牽引機関車
東日本旅客鉄道(JR東日本)田端運転所に所属するEF65形電気機関車が牽引する。1118号機を使用することもあった。
特急ではなく急行のため、機関車にヘッドマークは装着されなかった。
客車・編成
JR西日本宮原総合運転所に所属する24系客車7両(繁忙期には9両)を使用していた。
「銀河」最終期の編成図 進行方向 ←大阪駅 東京駅→
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