あけぼの
- 上野-青森(772.8km)
- 下り:2021、上り:2022
- 24系/24系25形(JR東日本青森車輌センター)
- 上野-長岡 EF64-0/1000(JR東日本長岡運転所)、長岡-青森 EF81
概要
上野駅 - 青森駅間を東北本線・高崎線・上越線・信越本線・羽越本線・奥羽本線を経由して運転する寝台特急列車。
約13時間かけて運転している。
東北新幹線が八戸まで延伸となった2002年(平成14年)12月1日以降は、東京都と東北地方を結ぶ唯一の定期夜行列車となっている。
2009年3月14日に実施されたダイヤ改正より、上越線での空転が多い上、高崎・上越線の乗務運転士が運転しにくいという理由のため、EF81形は長岡駅 - 青森駅間に短縮、上野駅 - 長岡駅間は上越線での走行のために設計されたとも言える長岡車両センター所属のEF64形電気機関車の牽引に変更された。
沿革
- 1970年(昭和45年)7月1日:上野 - 秋田間に臨時寝台特急(ブルートレイン)「あけぼの」1往復を新設。9月30日まで毎日運転。この期間は、同じ区間を走る急行「おが」の夜行列車を運休とした。なお、お盆の最混雑期間中の下り列車は品川始発で運転。
o この臨時運転は、同年10月の運行開始に合わせて落成した「あけぼの」専用20系客車のお披露目を兼ねたものだった。 - 1970年(昭和45年)10月1日:定期夜行急行「おが」(上野 - 大館)を特急に格上げして臨時寝台特急「あけぼの」を定期化、運転区間を上野
- 青森間とする。これに伴い急行「おが」は定期昼行1往復(気動車)と季節臨時夜行1往復(座席のみの在来形客車、グリーン車連結)となる。
o 「あけぼの」新設当初は1往復のみ。「あけぼの」は深夜時間帯に停車する駅での客扱いを行わない初めての措置をとり、後に深夜の長区間通過扱いが当たり前となっていく寝台特急ダイヤ設定のモデルケースとなった。
o 上野 - 黒磯間ではEF65形1000番台(PF型)が、最初にブルートレイン牽引の定期運用実施。これが、同形式機関車使用の初例となる。なお、同区間では一時期EF58形も使用した。 - 1972年(昭和47年)3月15日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
1. 急行「天の川」が寝台急行列車となり、運転区間を上野 - 新潟 - 秋田間(上越線・白新線・羽越本線経由)に変更。
2. 夜行「鳥海」の季節列車を廃止。昼行列車も10月1日に廃止され、「鳥海」は1往復のみとなる。
3. 座席車のみの編成だった季節夜行急行「おが」にA寝台とB寝台各1両を連結。 - 1973年(昭和48年)10月:特急「あけぼの」、秋田駅発着列車を増発。2往復となる。
- 1976年(昭和51年)9月27日:急行「天の川」が20系客車による運転開始。
- 1978年(昭和53年)10月1日:急行「津軽」の普通座席車を12系客車に置き換え。翌年9月グリーン車の連結廃止。
- 1980年(昭和55年)10月 このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
1. 「あけぼの」24系客車に置換。20系客車使用終了する。この時点で定期寝台特急から20系は完全に撤退。
2. 季節夜行急行「おが」を座席のみ14系客車に変更。 - 1982年(昭和57年)11月15日:東北・上越新幹線開業によるダイヤ改正により、以下のように変更。
1. 12系客車に従来型客車(A寝台+B寝台)を連結した座席車主体の夜行急行「津軽」2往復を24系25形客車編成と20系客車編成に置換、前者を寝台特急「あけぼの」として格上げ、「あけぼの」計3往復とする。また後者は引き続き夜行急行「津軽」として運行。
2. 東北本線・奥羽本線・陸羽西線経由の夜行気動車急行「出羽」(上野 - 酒田)と東北本線・高崎線・上越線・信越本線・羽越本線経由の夜行客車急行「鳥海」(上野 - 秋田)を統合、旧「鳥海」の経路を踏襲し所要時間を短縮した寝台特急「出羽」(上野 - 秋田、24系客車)を新設する。
3. 昼行特急列車「いなほ」の上野駅発着便の名称を「鳥海」に変更。 - 1983年(昭和58年)7月1日:季節夜行急行「おが」の使用客車(14系、全車座席車)と定期夜行急行「津軽」の使用客車(20系)を入れ替え。
- 1984年(昭和59年)2月1日:夜行急行「津軽」の座席車の一部をB寝台車に置換。
- 1985年(昭和60年)3月14日:東北・上越新幹線上野駅乗り入れに伴うダイヤ改正により、以下の様に変更。
1. 昼行特急「鳥海」1往復、定期昼行気動車急行「おが」1往復を廃止。
2. 季節夜行急行「おが」1往復を廃止。ただしこの後も多客期の指定日に、全車客車3段式寝台車の臨時寝台急行(20系、その後2段式寝台を連結した14系に変更)として上野 - 秋田間(同経路)で運行された。
3. 定期寝台急行「天の川」を廃止。ただしこの後も多客期の指定日に、全車座席車の臨時夜行急行(14系)として上野 - 酒田間(同経路)で運行された。
4. 「津軽」を全車座席車に変更。 - 1988年(昭和63年)3月:秋田駅発着の寝台特急「あけぼの」1往復を廃止。「あけぼの」は2往復に。
「北斗星」運転開始に伴う車両捻出とされている。 - 1990年(平成2年)9月:山形新幹線工事に伴い、以下のように変更。
1. 「あけぼの」運転経路を変更。
1. 1往復を東北本線・陸羽東線・奥羽本線経由に変更し、列車名を「あけぼの」とする。
2. 1往復を高崎線・上越線・信越本線・羽越本線・奥羽本線経由に変更し、列車名を「鳥海」とする。
2. 「津軽」を583系化し、東北本線・仙山線・奥羽本線経由に変更。
3. 臨時寝台急行「おが」を東北本線・北上線・奥羽本線経由に変更。 - 1990年(平成2年)12月 新宿駅 - 秋田駅間を奥羽本線経由で運転する臨時夜行急行「あきた」を14系客車(座席車および寝台車の混成)で運転開始。
- 1991年(平成3年)10月:臨時急行「あきた」を陸羽東線経由に変更。
- 1992年(平成4年)7月:「津軽」を485系電車に変更。
- 1992年(平成4年)12月:20系客車の老朽化に伴い、臨時寝台急行「おが」の使用車両を20系客車(全車3段式B寝台車)から14系客車(2段式B寝台車連結)へ変更。また、臨時急行「あきた」は運転を終了。
- 1993年(平成5年)12月:寝台特急「出羽」(上野 - 秋田)は「鳥海」(上野 - 青森)に統合されて消滅。夜行急行「津軽」を臨時列車に格下げ。「津軽」は臨時格下げに先立ち、583系電車に再び変更。
- 1994年(平成6年):季節臨時夜行急行「天の川」(全車座席車)、「おが」(2段式B寝台車連結)廃止。
- 1996年(平成8年):上野駅 - 秋田駅間を上越線・羽越本線経由で運転する臨時急行列車「うえつ」が運行される。
- 1997年(平成9年)1月:臨時夜行急行「津軽」を廃止。
- 1997年(平成9年)3月:寝台特急「鳥海」は「あけぼの」に統合されて消滅。「あけぼの」は「鳥海」の運行経路を踏襲。
- 2002年(平成14年)12月1日:東北新幹線八戸駅延伸に伴い、東北本線経由の寝台特急「はくつる」廃止。これにより「あけぼの」は東京対北東北の唯一の直通夜行列車となる。
- 2003年(平成15年)1月:上野駅 - 弘前駅間を運行する臨時夜行特急列車「特急583系ゴロンと号」が運行される。
583系電車を使用するが、普通車は寝台をセットしたまま座席として使用する「ゴロンとシート」として運転。なお、上りは浪岡駅始発とし、浪岡駅→弘前駅間は快速列車扱いとした。 - 2003年12月:「583系ゴロンと号」列車名を「ふるさとゴロンと号」に変更する。
- 2004年(平成16年)10月23日 - 2005年(平成17年)3月24日:新潟県中越地震による上越線不通の影響により、上野駅 - 秋田駅間区間運休。秋田駅 - 青森駅間に関しては臨時特急「かもしか91・92号」が、全車自由席で「あけぼの」の現行ダイヤと同時刻で振替輸送。但し、車両運用の関係で一時期、ディーゼル車による快速列車として運転。
- 2005年3月25日:中越地震の影響により運休していた上野駅 - 秋田駅間が運転再開。
- 2005年12月25日 - 2006年(平成18年)1月18日:JR羽越本線特急脱線事故による影響で、「日本海」・「トワイライトエクスプレス」とともに「あけぼの」運休。なお、年末年始に運転が予定されていた臨時特急「ふるさとゴロンと号」は、2年連続で運休。
- 2006年7月13日 - 8月8日:羽越本線土砂崩れの影響により「あけぼの」、海の日を含む3連休は東北本線・北上線経由の迂回運転を行い、その後は運休。
- 2006年12月29日・2007年(平成19年)1月4日:上野駅 - 青森駅間を運転する臨時夜行特急列車として「ふるさとゴロンと号」が運転。2003年12月 - 2004年1月以来、3年ぶりの運転となる。なお、12月29日は下り、1月4日は上りのみの運転。
- 2007年12月29日・2008年(平成20年)1月2日 :上野駅 - 青森駅間を運転する臨時夜行特急列車として「ふるさとゴロンと号」が運転。また、オリジナルの方向幕も用意された。
- 2009年(平成21年)3月14日:運行の定時性を保つためと、EF81の老朽化により上野~長岡間はEF64の牽引となる。なお、長岡~青森間は引き続きEF81が使用される。
寝台の種類
シングルデラックス
A寝台「シングルデラックス」(7号車)は、全11室の1人用個室である。室内にはテレビや、BGMを流す装置があり、テレビではビデオが放映されている。基本的には映画が放映されており、2つのチャンネルから選べるようになっている。
このシングルデラックスは、家族向けでの利用を考慮し、補助ベッドを設け2名で使用することが可能である。また、トイレ側1室を除いてベッドと反対側の壁の仕切(コネクトドア)が開閉できるようになっており、1番個室以外は最大4名で利用することができる。
ソロ
B寝台個室「ソロ」は、5・6号車にそれぞれ28部屋。2段構造で、寝台定員は1名。補助ベッドはない。
個室番号は、1階が1・3・5 - 25・27番(奇数番)、2階が2・4・6 - 26・28番(偶数番)となる。
個室の扉にはテンキー式の錠が設置されており、利用する旅客が任意の暗証番号を設定して使用する。
「北斗星」・「北陸」などと異なり、通路が車両中央にあるタイプ。上段の個室へ登る階段は個室の外にあるため、下段の個室内への張り出しはほとんどないが、上・下段とも個室内で着替えなどのために直立することができる場所はない。また、上・下段とも寝台使用中は床が露出せず(折りたたみ式の座面を展開するとその下に隠れる)、特に寝台使用中は寝台以外の空間がなくなってしまう。しかし、開放式B寝台と同額で個室を利用できるので、非常に人気が高い。なお、上段は曲面のスライド式窓カーテンとなっており晴れている日であれば寝台使用中に満天の星空を満喫できるが、座席として使用する際の足をつけるスペースが極めて狭いという難点がある。対して下段は地面に足をつけるスペースが上段よりも比較的広くて落ち着ける空間となっている。また、下段の個室は乗車時既に寝台が展開された状態になっておりシーツも敷いてあるが、上段の個室は旅客自身で座面を展開して寝台を構成しシーツを敷く必要がある。これは上段の個室で寝台を構成すると、個室への出入りが非常に困難になる(座面を展開すると入口のおよそ半分を支障する)という構造上の問題もある。
開放式B寝台
開放式B寝台は、2 - 4号車と9 - 12号車にある。
なお、下り羽後本荘駅 - 青森駅間は立席特急券で、上り青森駅 - 羽後本荘駅間は指定席特急券で利用できる。ただし利用できる車両は上りは4号車のみであるため繁忙期には満席であることが多い。下りは羽後本荘駅
- 大館駅間は4号車のみ、大館駅 - 青森駅間は3・4号車となっている。
ゴロンとシート
「ゴロンとシート」(禁煙席)・「レディースゴロンとシート」(女性専用席・禁煙席)は簡易寝台。浴衣、枕、掛け布団、シーツは一切ないが、設備そのものは通常の2段式(開放式)B寝台をそのまま使用する。(通常と同じく一人用の寝台を一人で使用する)指定券の券面の列車名は、ゴロンとシートが「あけぼの(ゴロンと)」、レディースゴロンとシートが「あけぼの(レディゴロ)」と表記される。
サンライズ瀬戸・出雲の「ノビノビ座席」同様、特急料金だけで横になって眠ることが出来るため、連休など(特に三連休パス利用期間)は10時発売と同時に満席になることが多い。なお、年末年始・お盆の多客期に「ふるさとゴロンと号」が臨時運転されたこともある。
運行時間
2021レ | 21:15 | 21:41 | 22:47 | → | → | 03:19 | 04:07 | 04:34 | 04:51 | 05:04 | 05:17 | 05:40 | 05:51 | 06:06 | 06:45 |
列車名 | 上野 | 大宮 | 高崎 | 新津 | 新発田 | 村上 | あつみ温泉 | 鶴岡 | 余目 | 酒田 | 遊佐 | 象潟 | 仁賀保 | 羽後本荘 | 秋田 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022レ | 06:58 | 06:29 | 05:12 | 01:15 | 00:49 | 00:21 | 23:36 | 23:11 | 22:55 | 22:44 | 22:31 | 22:08 | 21:57 | 21:44 | 21:06 |
→ | 07:14 | 07:36 | 07:48 | 08:06 | 08:18 | 08:35 | 08:57 | 09:05 | 09:18 | 09:56 |
八郎潟 | 森岳 | 東能代 | 二ツ井 | 鷹ノ巣 | 大館 | 碇ヶ関 | 大鰐温泉 | 弘前 | 青森 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
← | 20:39 | 20:23 | 20:12 | 19:56 | 19:45 | 19:28 | 19:06 | 18:57 | 18:46 | 18:08 |
使用車両
牽引機関車
上野-長岡 EF64-0/1000(JR東日本長岡運転所)、長岡-青森 EF81
かつて牽引した機関車
EF65形1000番台 東北本線 上野 - 黒磯間
EF71形・ED78形 奥羽本線 福島 - 山形間 山形新幹線工事に伴う福島駅構内工事の関係で極短期間上り列車を郡山まで直通牽引した。
ED75形 東北本線 黒磯 - 福島間
奥羽本線 山形 - 秋田間
奥羽本線 秋田 - 青森間
東北本線 黒磯 - 小牛田間
DD51形 奥羽本線 山形 - 青森間 電化前
北上線 北上 - 横手間 国鉄時代・奥羽本線内の工事時のみ
陸羽西線 - 羽越本線 新庄 - 秋田間 1974年に院内峠で起こった土砂崩壊による迂回運転時に牽引。
DE10形 陸羽東線 小牛田 - 新庄間
C58形 陸羽東線への迂回運転時に臨時的に使用した機関車[2]
客車・編成
青森車両センターに所属する24系客車が使用される。
1980年に20系客車を置き換えた際に「あけぼの」に投入された車両は24系24形であったが、1982年の「ゆうづる」削減に伴う「あけぼの」増便(2往復から3往復に増便)により「あけぼの3・4号」(上野
- 青森間)に24系25形編成が投入され、「北斗星」が登場する1988年3月まで使用された。2002年の「はくつる」廃止以降は、同列車に使用されていた3本金帯を巻いたオハネフ25形及びオハネ25形が編成に組み込まれることが多くなっており、白帯の24系24形、金帯の24系24形および25形の混成編成で運行されている。
現在の編成図 進行方向 ←青森駅 上野駅→
カニ24 | オハネフ24/25 | スロネ24-550 | オハネ24-550 | オハネ25-550 | オハネフ24/25 | オハネ24/25 | オハネ24/25 | オハネフ24/25 |
※多客時にはカニ24の後にB寝台車(開放式)を4両増結する場合がある。